開始直後に失点し、ワンサイドゲームに~1/10順位決定戦 対チェコ戦レポート
IIHF女子アイスホッケーU-18世界選手権
ゲームレポート 1/10
7・8位決定戦 第1戦
日本 0 (0-2、0-2、0-2) 6 チェコ
シュート数:日本9 チェコ26
完敗だった。
「試合の立ち上がりはチェコも決して良くはなかったが、1対1のバトルで淡泊なプレーをして負けたりなどし、それが失点に繋がって良い流れで試合をスタートすることができなかった」(飯塚祐司監督)
日本の最初の失点は第1ピリオド3分7秒、自陣でのフェイスオフから相手選手に簡単にパックを出され、それを受けたPEJSOVA,Danielaの個人技でするっとマークが交わされてゴールを奪われたもの。
その59秒後には、相手に簡単にパスを回され、19SKRDLOVA,Adelaにフリーでシュートを打たせてしまう。ゴール前に味方選手がスクリーンになった陰からパックが出てきたためにGKが反応できずあっさり2点目を許す。
「チェコは運動量は多くないが1対1に強く、狭いエリアでのバトルはとても強いので、そこを抑えきれず失点に繋がってしまった。気持ちは入っているが思うように身体が動かないのか…今日はワンテンポずつ対応が遅れるプレーが目に付いたのは否めない」(飯塚監督)
日本選手の運動量は、グループリーグの時より少なくなっていた。これでは、日本の特徴である「走ってスピードで上回る」ことは難しい。
第2ピリオド15分25秒には、相手シュートをクリーズ付近で身体で止めたものの、パックを大きくクリアすることができず、それを奪われゴール前で繋がれて失点。これでほぼ勝敗は決した。
「1対2になるのか、0対3になるのか、その1点が取れるかという状況で決めきれなかったのがワンサイドゲームになる原因だったと思います。足が動かない中での上半身の使い方などがチェコ選手は上手かった。」(飯塚監督)
日本が見せ場を作ったのは第2ピリオド16分17秒。12輪島夢叶の突破からペナルティーショットを獲得する。
ペナルティーショットを託された19志賀紅音がゴール右から巻き込むように狙ったが、GKの足が伸びてきて得点はならず。
流れはチェコに傾き、日本はその1分後にフェイスオフからチェコFWのラッシュを許して4点目を献上。
「日本がチャンスを作るには、縦への攻撃が一番可能性があると思っていた。その通りに選手はやってくれたが、最終的な攻めの部分でラストパスであったりシュートであったりという部分が精度を欠いたことは確かで、その後に失点するという悪い循環になってしまった」(飯塚監督)
この日の日本は、スピードと運動量で戦うという特徴が消えていた。連戦が続く中での体力の消耗度が影響していたことは否めない。
残念ながら、大差で敗れるときはこんなものなのかも知れない。
第2戦に向けては、幸い自国開催で、コンディション調整はしやすい環境だ。
コンディションが整えば、第2戦はこの日の状況とはまた違った試合展開になるだろう。(Text&Photo:Tomoki Sekiya)
志賀紅音選手の試合後コメント
流れが掴めず、日本のプレーができなかった。
ペナルティーショットを決められなかったのは、まだまだだなと思います。
残り2試合、絶対に勝つという気持ちで頑張ります。
輪島夢叶選手の試合後コメント
日本の武器はスケーティングだと監督にも言われていて、それは全体を通してできていたと思うのですが、守備の部分で1対1の負けだったり、そういう部分がまだまだ足りなかったと思います。スタミナ面も負けてはいなかったと思うのですが、点を取られてチームの雰囲気が下がってしまったので動きがそう見えたのかも知れません
――何回か抜け出す良いプレーもできていたが? という質問に対して
決めて日本の流れにしたかったのですが、そこは決定力の問題かなとも思います。
明日練習があるのでしっかりそういう所を意識しながら取り組みたいです。
チャンスを決めていたらもっと違う展開になっていたと思うので次はしっかり決められるように頑張ります。
チェコZUZIAK,Pavelヘッドコーチの試合後コメント
昨日のフィンランド戦と比べて戦術的には大きな変更はしていないが、多少ラインを変更して日本戦には臨んだ。早い時間帯で先制できたので、チームがグッとまとまったと思う。2点目も続けて良い形で取れたのでその後の展開がとても楽になった。ベンチの指示を忠実に選手が実行してくれていた。
パワープレーはチェコのストロングポイント。パワープレーを意識した練習を積み重ねてきたが、その練習通りの形で攻撃が出来たと思う。