【男子代表応援!】世界選手権ディビジョンI-B展望
バランスよくベテランと若手をミックス。新生日本代表の攻撃力を示せるか?
~世界選手権ディビジョンI-B展望~
<Text&Photo:関谷智紀(ライター/IH新サイト準備室代表)>
4/28にエストニアの首都・タリンで開幕するIIHFアイスホッケー世界選手権ディビジョンIグループB(以下Div-IBで表記)。
岩本裕司監督率いる男子日本代表の目標は、完全にはっきりしている。
『優勝してディビジョンIグループAへと舞い戻る』ことだ。
このグループでは力が1段上、ということを証明する戦い
日本が世界選手権全体のうち3部にあたるDiv-IBで戦うことは、過去の戦績から言っても不本意であることは間違いないだろう。2016年のポーランド・カトヴィツェ大会で最下位降格という屈辱の結果を味わってからDiv-IBでの戦いは今回で3回目。もうここで戦うのは最後にしないといけない。
この大会は驚くべきことにまだ各国のロースターが発表されておらず(IIHFのサイトにて)、ある国が突然NHL級の選手を登録してくるといった可能性もあるが、個々の実力的には日本が1歩リードしていると見る。
「最近は各国の差が詰まってきて、勢いに乗れば優勝できるが、1つ歯車が狂えば降格もありうる(岩本監督)」という厳しい戦いではあるが、選手達は一様に口を揃えて、「日本のアイスホッケー界に明るい話題を届ける! そのために絶対に今大会で昇格する」という強い思いで戦っている。
その思いが成就する瞬間をぜひ日本全国のアイスホッケーファンの皆さんと共有したい。
最終日のポーランド戦が優勝への大一番
世界選手権ディビジョンIグループBの大会形式は、以下の6カ国で行われる総当たりリーグ戦。優勝するためには敗けは運が良くても1つまでしか許されない、というようなフォーマットだ。
大会前の段階では、全部の相手に勝って優勝することに照準を合わせ戦う覚悟を決めるしかない。
(※勝ち点方式などは日本の状況にあわせて追って説明の記事を上げる予定です)
参加国は世界ランク順にならべると
ポーランド(21)
日本(23)
ウクライナ(24)
エストニア(26)
オランダ(28)
ルーマニア(29)
日本の試合日程は(※時間は現地時間)
4/28 13:00 日本 対ウクライナ
4/29 13:00 日本 対ルーマニア
(休養日)
5/1 16:30 日本 対エストニア
5/2 13:00 日本 対オランダ
(休養日)
5/4 16:30 日本 対ポーランド
となる。
Div-IAから降格してきたポーランドがやはり最大のライバルで、大会最終日に直接対決が組まれているが、『そこで勝った方が優勝』というシチュエーションにぜひ持っていきたいところだ。
また、大会初日のウクライナも難敵。過去には1つ上のDiv-IAで常にしのぎを削った相手でもあり、過去の対戦では……
2018世界選手権Div-IB 日本7-1ウクライナ
2016ピョンチャン五輪2次予選 日本2-1ウクライナ
※2016~2017 世界選手権での対戦はなし
2015世界選手権Div-IA 日本3-1ウクライナ
2014世界選手権Div-IA 日本3-2ウクライナ
ウクライナは身体が大きな選手が多く、シュート力もあり侮れない。
3連敗で意気消沈したウクライナと大会最終日で当たった昨年のDiv-IB以外は常に激戦となっており、日本は慎重に初戦に臨む必要がある。
このウクライナ戦でしっかりと勝つことで勢いが付けば、一気に連勝街道を突き進んで最終日を迎えることができるだろう。
岩本監督が自信を持って招集したメンバーの意地に期待
今回の日本代表は、アジアリーグ・国内勢からは齋藤哲也キャプテンをはじめ河合龍一、田中豪、篠原享太などといったベテラン勢。橋本僚、橋場亮、佐藤大翔などの中堅、そして中屋敷侑史、簑島圭吾など若い選手がバランス良く選ばれている。
それに加えて、日本人として福藤豊以来2人目、FWとしては初のAHLプレイヤーとなった平野裕志朗、アメリカNCAA1部の大学に所属する三浦優希と佐藤航平、アメリカ独立リーグでプレーする小坂丈と4人の海外組が加わり、非常に新鮮なメンバー構成となっている。
フィンランド・ビエルマキでの事前合宿では、メンバー同士でのコミュニケーションが深まって、『絶対に優勝する』という意思で全員が同じ方向を目指すことを確認し合った。
このメンバーでDiv-IB優勝そしてIA昇格ができれば、間違いなくこの男子日本代表が日本アイスホッケー界復活のシンボルとなる。
日本のファンへ明るい話題を届ける! ために
そして、僕らファンや国内の選手、ホッケーに携わる多くの人たちが“令和の時代には日本のアイスホッケー界がきっともっと良くなる”、という思いを持てるきっかけになるに違いない。
ぜひ、男子日本代表には全勝での優勝を果たしてもらいたい。